介護施設で看護師として働くことには、メリットがある。まず「介護スキルを身につけられる」ことだ。病棟勤務での患者の世話とは異なり、介護施設では介護度に合わせた看護を行うことになる。間近で介護の様子を見て学ぶこともできるため、今後も進んでいくだろう高齢化社会に役立つ看護スキルを身につけられるのだ。
そして、2つめは「夜勤がない」ことだ。施設によっては例外もあるが、夜勤がない施設も多い。残業も少ないため仕事後の予定も入れやすく、プライベートの時間を確保しやすい。3つめに挙げるのは「判断力が身につく」ことだ。病院ほど高い看護スキルを求められない一方で、医師が常駐していない施設もあるため看護師が判断を求められる場合がある。そのような時に、今まで培ってきた経験や看護師としてのスキルを生かしての的確な対応が必要となるのだ。
4つめは「コミュニケーションスキルが身につく」ことである。病棟勤務とは異なり、利用者と接する時間や機会も多いため、1人1人に寄り添った看護がしたいと考えている人には大きなメリットとなるだろう。しかし、以上に挙げた4点はデメリットにもなることがある。
病棟勤務と比べて高い看護スキルは必要とされないため、専門的なスキルを伸ばすのは難しい。また、看護師経験が浅いまま施設で働いた場合、緊急時の判断を委ねられるのは荷が重いと感じるだろう。利用者を看取ることも多く、人によっては大きなストレスとなる可能性もある。
それ以外にも、病棟勤務に比べて夜勤手当などがつかないことから給料が低くなることも多く、高い収入を得るためには介護に役立つ他の資格も取得してキャリアアップを狙うなどの努力が必要だ。